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南浦紹明墨蹟
なんぽじょうみょうぼくせき |
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作品ID | 55062 |
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著者 | 北大路 魯山人 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「魯山人書論」 中公文庫、中央公論社 1996(平成8)年9月18日 |
入力者 | 門田裕志 |
校正者 | きゅうり |
公開 / 更新 | 2018-12-29 / 2018-11-24 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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南浦紹明(大応国師)は、宋の虚堂の法嗣で大燈国師のお師匠さん、建長寺の蘭渓道隆の門に参じたことがあり、宋から帰って後に筑前の崇福寺におること三十年、関西を風靡した。延慶元年臘月、七十四を以て示寂。
南浦の法統は女子の開悟を期するを以て特色としており、悟りに徹するには女も知らねばというわけで、その点、徹底しているともいえる。一休、沢庵などは、その出色で、一見エロ僧みたいだが、禅もここまで行かねば話せんと悦ぶ人は随喜する。南浦も、この派の傑僧だから、これで世事にもなかなか通じて角におけないところがある。その書は入宋しながらやわらかい和風を特色とし、大燈と好対照をなしている。「独歩」の二字よく彼の面目を表わし、その語、また大丈夫の所信として肝に銘ずる。
(昭和二十七年)