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古唐津
こからつ |
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作品ID | 55074 |
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著者 | 北大路 魯山人 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「魯山人陶説」 中公文庫、中央公論新社 1992(平成4)年5月10日 |
入力者 | 門田裕志 |
校正者 | 木下聡 |
公開 / 更新 | 2018-03-23 / 2018-02-25 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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古唐津というものの良さは、日本陶器として古瀬戸、古備前、古萩、古伊賀、古信楽等の類品と共にいずれを姉とし、いずれを妹とすべくもないまでに、著しく他に優れた良さと日本趣味に富む野趣を存する。
古唐津は最初全く朝鮮の手法になっているが、漸を逐って、日本固有の美形を具えて、一種の体をかまえて来る。随って、底力を欠く朝鮮陶から救われて、力強き作風と変化し、純然たる日本精神を発揚すると共に、典雅な情趣を帯び来って、まことに心憎いまでに人の心に迫って来るものがある。
(昭和二十八年)