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感想
かんそう |
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作品ID | 55707 |
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著者 | 中原 中也 Ⓦ |
文字遣い | 新字旧仮名 |
底本 |
「新編中原中也全集 第四巻 評論・小説」 角川書店 2003(平成15)年11月25日 |
初出 | 「新生」1937(昭和12)年1月号 |
入力者 | 村松洋一 |
校正者 | noriko saito |
公開 / 更新 | 2015-03-29 / 2015-02-22 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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地方の詩のグループも多いことだが、どういふものか、ずつと以前から大連と神戸にだけ面白いものが見られるのだつた。京都は嘗つて小生自身二年間ゐて、詩人にとつては有難い土地だと思つてゐるので、京都あたりからもつと面白いものが出てもよかりさうなものだと、かねがね思つてゐたが、仲々出なかつた。所が今年になつて「新生」を受取るやうになつてから、漸く出たなとおもつた。
「新生」がいいのは、第一に素直な点である。そしてまた肉感的な濃密さがいい。なんだか瓜の肌でも見るやうだ。ただ此の上とも希望したいことは表現の完璧といふことである。つまり簡潔といふことである。このことが果される時に詩は初めて「作品」として通用するのだと思ふ。