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詩論
しろん |
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作品ID | 55732 |
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著者 | 中原 中也 Ⓦ |
文字遣い | 新字旧仮名 |
底本 |
「新編中原中也全集 第四巻 評論・小説」 角川書店 2003(平成15)年11月25日 |
入力者 | 村松洋一 |
校正者 | noriko saito |
公開 / 更新 | 2015-10-22 / 2015-09-01 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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L'art, mes enfents, d'[#挿絵]tre en soi-meme! Paul Verlaine
芸術とは、喩へば金鉱発掘の如きものだ。金鉱を発掘する人は、親や妻子より遠く、山中に分け入るのだ。そのやうに、芸術とは、自分自身に忠実であることだ。
何を描くべきか?――描くべき何物もない! 芸術とは、自分自身の魂に浸ることいかに誠実にして深いかにあるのだ。即ち自分自身であるための誠実が自らなる基準となつて、折にふれて歌ひたくなるものの謂である!
自分自身であるといふことは、嘘をつかないことであり、自分自身であることは意志的であることである。
そして人が、自分自身であること、徒らに迎合的でないことではないか? かの造型性とは!
智識でも慈善事業でも其の他何物でもない、断じてない!
芸術とは、自我を愛することの、誠実であることの、褒賞である!
“L'art, mes enfents, d'[#挿絵]tre en soi-meme!”
(生きるとは、自我を愛することである!)