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沢庵
たくあん
作品ID59646
著者北大路 魯山人
文字遣い新字新仮名
底本 「魯山人著作集 第三巻」 五月書房
1980(昭和55)年12月30日
初出「星岡 38号」星岡窯研究所、1934(昭和9)年1月
入力者江村秀之
校正者木下聡
公開 / 更新2021-04-13 / 2021-03-27
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


 たくあんの話をしてみよう。
 今日食べたたくあんは、加賀の山代でできたものである。わたしの知っているかぎりでは、山代産のたくあんが一等よいものだと思う。これは、だいこんが寒国でできたことが主なる原因だが、山代のは他のコツもあって伊勢のものとも違う。伊勢のも種類があり、いいものだが、山代のには及ばない。伊勢は産業として、大量に生産しているので、山代のようなウブなうまさはない。五十年も前には、山代のようなうまさもあったようだが、しかし、伊勢のもぬかが多いので、それだけのうまさはあるといえよう。
 山代のも、多量のぬかを使っていて、ぬかの中からたくあんを掘り出す感があるが、このようにぬかを多く使用することは、うまいたくあんを作るコツである。
 東京のたくあんの漬け方は、黄色の色素でカムフラージュされていて、うまくない。これは明らかにぬかの少ないせいだといえよう。
 ついでにいうと、やさいでも、魚でも、総じて寒帯地方のものがよい。北海道で獲れるさけ、ます、にしん、棒だらが美味であることなど、その一例である。
 一概にはいえないが、暖地で間違いないのはくだものであろう。くだもの類は概して暖地に名果ができるものである。
(昭和九年)



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